◎今回の大統領選は有力候補であったビジャビセンシオ氏が今月初めに射殺されたことで台無しになった。
2023年8月20日/エクアドル、首都キトの投票所(Getty Images/EPA通信)

エクアドルで20日、大統領選と議会選の投票が行われている。

有権者は麻薬カルテルとギャングによる暴力が激化する中、新大統領と国会議員(一院制:定数137)を選ぶために投票所に足を運んだ。

地元メディアによると、陸軍兵士と警察官、約10万人が投票所や市街地に配備され、警戒に当たっているという。

今回の大統領選は有力候補であったビジャビセンシオ(Fernando Villavicencio)氏が今月初めに射殺されたことで台無しになった。

保守派のラソ(Guillermo Lasso)大統領は政界引退を表明している。

大統領選を争う候補8人のうち、最有力は左派のコレア(Rafael Correa)元大統領の政党・市民革命運動から立候補したゴンザレス(Luisa Gonzalez)氏と見られていた。

しかし、8月9日の暗殺事件で選挙の行方は予断を許さない状況となっている。

選挙の焦点は平和と安全保障に置かれている。候補は選挙期間中、防弾チョッキを着用し、集会の規模を縮小した。

19日には保守派の候補が最大都市グアヤキルのレストランで朝食をとっている時に銃撃を受けた。この候補にケガはなく、銃撃犯は逃走したと伝えられている。

エクアドルでは南米とメキシコの麻薬カルテルが領土争いを繰り広げており、その傘下である地元のギャングが絡む暴力事件が多発している。

グアヤキルはその中心地であり、刑務所でも抗争が多発。ラソ氏は全国の刑務所を対象とする非常事態宣言を発令した。

さらに、ビジャビセンシオ氏が射殺されてから1週間も経たぬうちに別の政治家が射殺された。

ビジャビセンシオ氏は組織犯罪と汚職の根絶を有権者に約束していた。

この暗殺事件に関与したとして逮捕された6人は全員コロンビア人であった。

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