◎中露寄りのカーン氏は検察による一連の告発を「シャリフ政権と米国の陰謀」と呼び、全ての罪を丸ごと否定している。
パキスタンのカーン(Imran Khan)前首相(収監中)が8日、禁固3年を言い渡された汚職裁判で判決を不服とし控訴した。
中露寄りのカーン氏は150件を超える罪で起訴もしくは起訴される見通しであり、汚職裁判の判決が言い渡された先週末に逮捕された。
中露寄りのカーン氏は検察による一連の告発を「シャリフ政権と米国の陰謀」と呼び、全ての罪を丸ごと否定している。
カーン氏の弁護団によると、イスラマバード高裁は9日に控訴状を審理する予定だという。
弁護士のひとりはイギリス植民地時代に建設された東部パンジャブ州の警備厳重な刑務所を訪れ、カーン氏と面会したようだ。
弁護士はパンジャブ州の記者団に対し、「司法はカーン首相に対する有罪判決を違法と宣言すべきである」と語った。
また弁護士は検察を非難し、カーン氏が虚偽の主張に基づいて逮捕されたと主張した。
カーン氏のパキスタン正義運動(PTI)はシャリフ(Shehbaz Sharif)首相が政治的な目的で権力を乱用していると非難している。
シャリフ氏は年末までに行われる総選挙でPTIの挑戦を受けることになる。
選挙管理委員会は8日、カーン氏の有罪判決を受け、同氏の被選挙権を5年間剥奪した。
カーン氏の弁護士によると、カーン氏は収監されたにもかかわらず、元気で高い士気を維持しているという。この刑務所は1905年に運用を開始し、刑が確定したイスラム過激派や公判手続き中の凶悪犯を収容することで知られている。
弁護士はカーン氏が収監されている部屋を「拷問部屋」と呼び、「エアコンがなく、ハエや虫が飛び交っている」と語った。
カーン氏は今年5月にも汚職容疑で逮捕された。その際は全土で激しい抗議デモが起き、その数日後、最高裁は逮捕を違法と裁定。釈放を命じた。
カーン氏は5日の判決以来、支持者に抗議デモを呼びかけているが、その規模は前回に比べると小さく、数百人が集まる程度にとどまっている。