◎ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。
2023年6月9日/キューバ、首都ハバナ、コロンビアのペトロ大統領(左)とキューバ共産党のディアスカネル大統領(Ramon Espinosa/AP通信)

コロンビア政府と同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」による6カ月間の停戦協定が発効した。中央政府が3日、明らかにした。

この停戦は6月9日にキューバの首都ハバナで行われた会談で発表された。

ELNは1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。構成員数は2500~5000人と推定され、ベネズエラでも活動し、金鉱山での違法採掘や麻薬密売で利益を上げている。

一部の国民はこの停戦で内戦を完全に終結させることができるのか、そして、ELNの麻薬取引を食い止めることができるのか、懐疑的な目で見ている。

ELN指導部は麻薬取引への関与を否定している。

双方は協定の中で和平に向けた取り組みを推進する専門家委員会の創設でも合意している。この委員会の初会合は今週末に予定されている。

協定により、陸軍、警察、ELNは攻撃を完全に停止し、専門家委員会による和平交渉が進展すれば、停戦期間を延長するとしている。

しかし、ベネズエラ国境付近では先月、警察官3人が何者かに射殺され、さらに陸軍将校と子供2人が誘拐され、爆弾テロが数件発生した。

国連は2日、この停戦を監視するために68人の監視団を派遣すると発表。グテレス(Antonio García)事務総長は3日の声明で、「コロンビアの和平努力は前進している」と歓迎した。

昨年、同国初の左派指導者として就任したペトロ(Gustavo Petro)大統領は同国の和平努力に勢いを与え、今年6月のキューバ会談でELNの最高司令官ガルシア(Antonio García)氏と停戦で合意した。

ELNの2つの派閥は3日、停戦発効数時間に声明を出し、協定の条件を遵守すると約束した。

また両派閥は「万一、ELNが攻撃を受けた場合は反撃する権利を留保する」と強調した。

コロンビア内戦の犠牲者は45万人以上と推定されており、その大半が1985年~2018年の戦闘で死亡したとされる。

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