◎パキスタンのアフガンと国境を接する地域ではテロ攻撃が相次いでいる。
パキスタンの警察当局は8日、北西部カイバル・パクトゥンクワ州のスワート渓谷でTTP(パキスタンのタリバン運動)の戦闘員が銃を乱射し、警察官2人と銀行の警備員1人を殺害したと発表した。
地元警察によると、事件はスワート渓谷内にある町の果物市場付近で発生したという。
警察は一帯を封鎖し、現場から逃走した3人の行方を追っている。
地元メディアはTTPが犯行声明を出したと伝えている。
パキスタンのアフガンと国境を接する地域ではテロ攻撃が相次いでいる。
5日にはカイバル・パクトゥンクワ州・北ワジリスタンで銃撃戦が発生し、陸軍兵士2人と武装勢力の戦闘員2人が死亡。先月24日には北ワジリスタンの検問所に爆弾を積んだ自動車が突っ込み、民間人を含む少なくとも4人が死亡した。
パキスタン政府はカイバル・パクトゥンクワ州を含むアフガン国境の町から武装勢力を排除したと主張しているが、今でも時折テロ攻撃や銃撃戦が発生し、TTPなどのイスラム過激派がこの地域に戻ったのではないかという懸念が高まっている。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPは現在、アフガンの山岳地帯に潜伏しているとみられ、昨年11月に中央政府との停戦協定を一方的に打ち切った。
パキスタン政府はアフガン・タリバンがTTPを支援していると非難しているが、アフガン・タリバンはこの主張を否定している。