◎ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
パキスタンの警察当局は31日、ポリオワクチン接種キャンペーンに参加していた医療従事者らが武装集団の攻撃を受け、護衛の兵士1人が死亡、もう1人が負傷したと発表した。
警察によると、事件はアフガニスタン国境に近い北西部カイバル・パクトゥンクワ州の北ワジリスタン地区で発生したという。犯行声明は出ていないようだ。
中央政府は数日前に最新のポリオ撲滅キャンペーンを開始したばかりだった。
医療従事者にケガはなかった。警察が武装集団の行方を追っている。
ポリオ(急性灰白髄炎)は脊髄性小児麻痺とも呼ばれ、5歳以下の児童がかかることが多く、麻痺などを引き起こし、死に至ることもある。
死亡率は地域によって異なるが、ワクチン未接種の小児で2~5%、成人は15~30%、妊婦はさらに高いと推定されている。
パキスタン政府は2年ほど前からポリオ撲滅キャンペーンを展開しているものの、感染者は一向に減らず、増加傾向にある。
イスラム過激派などの武装勢力は米CIA(中央情報局)が国際テロ組織アルカイダの創設者ビンラディン(Osama bin Laden)を追跡する際に偽のワクチン接種活動を行ったことで、ワクチンキャンペーンを敵視するようになった。
過激派はワクチンを「西洋の陰謀」「イスラム教徒を不妊化するウイルス」などと呼び、接種会場や医療関係者を標的にしている。
パキスタンとアフガンは世界で唯一、ポリオが蔓延している国である。