◎コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。
コンゴ民主共和国東部、陸軍の兵士(Getty Images)

コンゴ民主共和国の東部・北キブ州で民間人少なくとも17人がイスラム国(ISIS)系組織に殺害された。AP通信が関係者の話しとして報じた。

それによると、東部地域に拠点を置く「民主同盟軍(ADF)」は25日から26日にかけて、同州郊外の集落を襲ったという。

APの取材に応じた自治体職員は、「28日に10人、29日に7人の遺体を集団墓地で発見した」と語った。

ADFはウガンダで発足した反政府勢力であり、1990年代半ばからコンゴ東部に拠点を置き、民間人数千人を虐殺したと告発されている。

コンゴ東部では国際テロ組織アルカイダやISISとつながりのある過激派など、120以上の武装勢力が活動している。

武装勢力の活動目的は様々だが、その多くが▽土地や貴重な鉱物が採れる鉱山の支配権を求めて▽地元コミュニティを守るために戦っている。

国連によると、昨年4月以降、ADFの攻撃により民間人少なくとも370人が死亡し、子供を含む数百人が誘拐されたという。

ADFは活動地域を北キブ州の州都ゴマや北東部イトゥリ州に拡大したと伝えられている。今年3月には北キブ州の集落で35人が虐殺された。ADFはこの事件に関与したと主張している。

軍と過激派の戦闘はこの地域の人道危機に拍車をかけている。国連によると、コンゴの避難民は推定600万人、そのうち45万人が北キブ州の市民とされる。

この地域で活動する援助団体は「数十万人が食料難に直面し、病気が蔓延している」と警告している。

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