◎マレーシアはイスラム教徒が多数派を占めるイスラム国家であり、植民地時代に制定されたソドミー法を含む、同性愛に関する様々な刑法を定めている。
スイスの時計メーカー「スウォッチグループ」は23日、マレーシア当局が同社の店舗を家宅捜索し、LGBTQ+(性的少数者)をコンセプトにしたコレクション164本を押収したと発表した。
報道によると、マレーシア内務省の職員は5月13~14日に全国のモールにあるスウォッチの店舗を捜索し、LGBTQを連想する時計を押収したという。
押収された時計はLGBT運動の象徴であるレインボーフラッグと同じ6色から選ぶことができ、ベルトにはレインボーカラーのループがついている。
スウォッチ社は公式ホームページに声明を投稿。「我が社は平和と愛のメッセージを込めたコレクションに対する取り締まりに強く反対する」と表明した。
マレーシアはイスラム教徒が多数派を占めるイスラム国家であり、植民地時代に制定されたソドミー法を含む、同性愛に関する様々な刑法を定めている。
野党のイスラム教政党「全マレーシア・イスラム党」は最近、昨年11月に行われた英ロックバンド「コールドプレイ」のコンサートを親LGBTと批判した。
内務省の報道官はAP通信の取材に対し、「規制部門の監査報告書を待っており、現時点でコメントできることはない」と語った。
一方、スウォッチ社はマレーシアの店舗におけるLGBTコレクションの販売を再開。「法務部門が今回の押収について調査している」と発表した。
マレーシアの人権団体は今回の取り締まりを「とんでもない暴挙」「恥を知れ」と断じている。「これはイブラヒム(Anwar Ibrahim)首相の不寛容を示すものであり、到底容認できません...」
クアラルンプールに拠点を置く人権団体JEJAKAは声明で、「多様性の尊重、表現の自由、そして最も重要なのは愛だ」と声明を発表した。「私たちは抑圧や差別ではなく、受容と理解の文化を促進するよう政府に求めます...」