◎政府は今月初めに公表したレポートで、昨年ギャングや麻薬カルテルに誘拐された移民が2000人を超えたと報告していた。
メキシコ南部、米国への移住を希望する中南米の移民(Getty Images)

メキシコのオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領は17日、同国北部で移民約50人がギャングに誘拐されたと発表した。

北部ヌエボレオン州の警察によると、南部チアパス州から米国の国境に向かっていたバスが16日にギャングの攻撃を受け、運転手を含む約50人が誘拐されたという。

オブラドール氏は定例会見で、「警察はこのうち数人を保護した」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

ヌエボレオン州警察は声明で「誘拐された男性6人と女性3人を保護した」と報告。9人が解放されたのか、それとも逃亡したのかは明らかにしていない。

それによると、9人はベネズエラとホンジュラスの市民。州内の人通りが少ない未舗装道路で助けを求めていたという。

地元メディアは関係者の話しとして、「ギャングはバスを運行する会社に1人当たり1500ドルの身代金を要求した」と報じている。

オブラドール氏は会見の中で、「移民を狙うギャングが活動していることを残念に思う」と述べ、同じ地域で先月発生したとされる誘拐事件に言及した。

警察はこの時、誘拐されたとみられる移民20人だけでなく、同じギャングに拘束された別の80人も保護した。逮捕者が出たかどうかは明らかになっていない。

ヌエボレオン州はかつて、悪名高い麻薬カルテル「ロス・セタス(Los Zetas)」の支配下に置かれていた。

移民の誘拐事件は北部ソノラ州などでも多発している。

政府は今月初めに公表したレポートで、昨年ギャングや麻薬カルテルに誘拐された移民が2000人を超えたと報告していた。

麻薬カルテルやギャングは実行支配する地域に検問所を設置し、対立組織の構成員だけでなく、麻薬とは無縁の一般市民や移民も誘拐し、身代金を要求することがある。

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