◎この1カ月で民間人数百人が死亡、20万人以上が近隣諸国に避難し、国内では推定70万人が避難生活を送っている。
スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は14日からサウジアラビアで停戦交渉を再開する予定だ。
しかし、首都ハルツームの住民は「双方が民間人を保護する合意に達する兆しは見えない」と悲観している。
軍政とRSFは何度も停戦協定に合意したと発表しているが、それは全く機能せず、戦闘はハルツームから隣接する地域、そしてダルフール地方に広がった。
ハルツームの戦闘は開始からまもなく1カ月を迎える。
ロイター通信の取材に応じたハルツームの住民は「今朝の戦闘はこの2日間よりひどく、戦車の音がハッキリ聞こえた」と説明した。「RSFは占領地のパトロールを強化しています...」
人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、この1カ月で民間人数百人が死亡、20万人以上が近隣諸国に避難し、国内では推定70万人が避難生活を送っているという。
この戦闘はダルフール紛争を再燃・激化させる恐れがある。この紛争の死者数は最大30万人、300万人近くが故郷を追われたと考えられている。
両者は停戦期間中も戦闘を続け、妥協する気配はみられない。RSFは11日に停戦を守ると約束したが、軍はまだコメントを出していない。
軍政は制空権を完全に掌握しているものの、RSFの戦闘員は住宅街に潜り込んでいるため、空から攻撃することは難しいようだ。
ロイターの取材に応じた男性は「RSFは民家に隠れ、陸軍部隊に待ち伏せ攻撃を仕掛けている」と述べた。
ハルツームでは略奪が横行し、水・電力・食料の供給もままならない状況が続いている。報道によると、市内の医療機関はほとんど機能せず、赤十字などのNGO職員も避難を余儀なくされたという。
AP通信の取材に応じた女性はサウジでの交渉に期待を示しつつも、「軍政とRSFは現場の兵士をコントロールできておらず、仮に停戦協定を結んだとしても、うまく機能するとは思えない」と悲観した。