◎多くの欧州諸国がウクライナ侵攻を続けるロシアの外交官を追放している。
ノルウェー政府は13日、スパイ活動を行ったとされる在ロシア大使館の職員15人をペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)に指定し、国外退去を命じた。
ヴィットフェルト(Anniken Huitfeldt)外相は記者会見で、「外交特権の悪用には厳しく対処する」と語った。
多くの欧州諸国がウクライナ侵攻を続けるロシアの外交官を追放している。
ロシア国営タス通信は大統領府関係者の話として、「適切な対応(報復措置)を検討している」と報じた。
ノルウェー外務省は声明で、「当局は時間をかけて15人を監視し、今回の決定に至った」と述べている。
同省は15人が行ったとされるスパイ活動の詳細を明らかにしていない。
同省は声明の中で、「ロシアは我が国が直面するスパイ活動の震源地であり、その影響力は欧州の治安悪化を背景に増大している」と懸念を表明した。
ノルウェーはロシアと197kmの国境を共有している。
ガール・ストーレ(Jonas Gahr Store)首相はEUと協調してロシアに制裁を科している。ノルウェーはNATO加盟国だが、EUには加盟していない。
政府は昨年4月、情報機関の職員とされるロシア外交官3人を追放。ロシア外務省は報復として在ノルウェー大使館の職員3人を追放した。
ノルウェー警察は昨年10月、クレムリンのスパイとされるロシア人の大学講師を逮捕した。この講師はブラジル人を装っていたとされ、容疑を否認している。
ヴィットフェルト氏は会見の中で、「政府はロシアとの外交関係を維持するつもりだ」と述べる一方、「いかなる理由があろうと、外交特権を悪用してスパイ活動を行うことは許されない」と強調した。
アイルランド、オランダ、チェコ、ベルギーなども在ロシア大使館の職員数十人をペルソナ・ノン・グラータに指定している。