◎乗客乗員約250人を乗せたフェリーで火災が発生し、少なくとも12人が死亡、7人が行方不明。
フィリピン当局は30日、乗客乗員約250人を乗せたフェリーで火災が発生し、少なくとも12人が死亡、7人が行方不明になっていると発表した。
沿岸警備隊によると、火災は29日深夜に発生。フェリーは南部バシラン島の沖合を航行していた。多くの乗客が海に飛び込み、沿岸警備隊、海軍、地元の漁師らによって救助されたという。
バシラン州政府の報道官は声明で、「捜索・救助活動が夜通し続いている」と報告した。
それによると、フェリーの乗客数と行方不明者数は増減する可能性があるという。
地元のテレビ局は「火災は朝までに鎮火した」と報じている。
警備隊は30日早朝時点で子供3人を含む12人の死亡を確認。23人が負傷し、医療機関に搬送された。亡くなった12人の死因はいずれも溺死と伝えられている。
フェリーは南部ミンダナオ州の商業都市サンボアンガからスールー州へ向かう途中、バシラン島沖で火災に見舞われた。
AP通信は州政府関係者の話として、「一部の乗客が火災から逃れようとして海に飛び込んだ」と報じている。
フェリーはバシラン州の港近くに牽引され、調査が進められている。
フィリピンでフェリー火災は珍しくなく、昨年8月末には100人近くを乗せたフェリーがマニラ南方のパタンガス州沖で炎上。乗客1人が負傷した。
昨年6月末にレイテ島近くで発生した火災では乗客乗員165人のうち1人が死亡、1人が行方不明となった。
1987年12月に発生したフェリーと燃料タンカーの衝突事故では4300人以上が死亡。世界最悪の海難事故として記録されている。