◎サービス労働者の労組「ベルディ」は先週、国内の公共交通機関などで働く組合員に対し、27日に24時間ストを行うよう呼びかけていた。
ドイツ全土で27日、賃上げを求める労働組合による公共交通機関の24時間ストが始まった。
地元メディアによると、多くの地域で飛行機、列車、バスが止まったという。
港湾と運送部門の労組もストに参加しており、貨物輸送に大きな影響が出ているようだ。
多くの市民が車通勤を選択したため、ベルリン、ミュンヘン、フランクフルトなどの主要都市で渋滞が発生したと伝えられている。
サービス労働者の労組「ベルディ(Verdi)」は先週、国内の公共交通機関などで働く組合員に対し、27日に24時間ストを行うよう呼びかけていた。
ベルディは連邦政府および自治体職員の給与交渉を主導し、10.5%の賃上げを要求している。政府は2段階で合計5%および、2500ユーロの一時金を提示している。
鉄道部門の組合員を代表する労組EVGの書記長は27日、記者団に対し、「インフレは多くの組合員に大打撃を与えている」と語った。「政府と企業はインフレが市民生活にもたらす壊滅的な影響を理解していません...」
また書記長は「実質賃金を底上げする必要がある」と強調した。それによると、家賃の高い都市圏で生活する組合員の多くが国の助成金や給付金に頼って生活しているという。
書記長は次の交渉で政府・企業が「納得できる額」を提示してくれることを期待すると述べ、「そうでなければ無期限ストもあり得る」と警告した。
しかし、ドイツ鉄道(国鉄)は労組の要求を「大げさ」「過大」だとし、何百万人もの通勤客が影響を受けると批判している。
同社の広報担当はAP通信の取材に対し、「貨物列車で荷物を送ったり受け取ったりしている何千もの企業が影響を受けるだろう」と語った。
また広報担当は「ストで使えなかったチケットは払戻しできる」とした。
ドイツ通信社(dpa)によると、労使は近いうちに3日間の集中協議を行う予定だという。連邦政府を代表して交渉に臨むフェーザー(Nancy Faeser)内務・国家相は27日、「公平かつ建設的な協議を望む」と記者団に語った。
またフェーザー氏は「良い解決策を見出せると確信している」と述べた。