◎イラク政府と北部イルビルのクルド人自治区は石油収入の分配をめぐって長い間対立してきた。
イラク政府は25日、クルド人自治区における石油関連の国際仲裁裁判で勝訴したと明らかにした。
イラク政府と北部イルビルのクルド人自治区は石油収入の分配をめぐって長い間対立してきた。
クルド当局は2014年、この地域とトルコを結ぶ「独自のパイプライン」で石油を輸出し、その収益を自治区の予算に充てると一方的に決定した。
イラク政府はこの決定を「強盗」「密輸」と呼び、トルコがイラクと1973年に結んだ石油輸出協定に違反しているとして国際仲裁裁判所(ICC)に提訴した。
イラク政府はクルド当局が国営石油会社を通さずに石油を輸出することを違法と主張している。
これに対しクルド当局は「イラク政府は恣意的にクルド人への予算を削減している」と反発。石油収入は削減分を補うものと主張している。
イラク首相府は声明で、「我が国の国営石油会社はトルコへ石油輸出業務を管理する権限を持つ唯一の組織である」と述べている。
また首相府は「政府はイルビルからトルコに石油を輸出する仕組みについて、地域の関係当局およびトルコ当局と協議する」とした。
クルド当局はICCの裁定を受けいれる一方、「我々は憲法が保障するクルド人の権利を諦めない」と声明を発表。今回の判決がイラク政府との関係に悪影響を与えることはないと強調した。
またクルド当局は「イラク政府との最近の話し合いでこの問題の解決に向けた礎を築くことができた」とし、26日にバグダッドで協議を行う予定と明らかにした。