◎パキスタンのアフガン国境付近ではテロ攻撃が多発している。
パキスタン軍は21日、アフガンと国境を接する北西部カイバル・パクトゥンクワ州で軍情報部の幹部を乗せた車両が待ち伏せ攻撃を受け、幹部本人と運転手が死亡したと明らかにした。
陸軍の情報提供者はAP通信の取材に対し、「軍情報部の将校と運転手は州郊外を移動中、殉職した」と語った。それによると、武装勢力とみられる男たちは車を蜂の巣にしたという。
犯行声明を出した組織は今のところ確認されていない。地元メディアによると、カイバル・パクトゥンクワ州と南西部バルチスタン州で攻勢を強める「パキスタンのタリバン運動(TTP)」も声明を出していないようだ。
TTPは1月、軍幹部を含む兵士数人を殺害した。
一方、陸軍は21日、カイバル・パクトゥンクワ州近郊で20日に銃撃戦が発生し、兵士3人とテロリスト3人が死亡したと発表した。テロリストの所属先は明らかにされていない。
陸軍は情報部の幹部と運転手が殺害された事件には言及しなかった。
TTPとアフガンのタリバンは別組織だが、思想は共有している。TTPはかつて、南ワジリスタンや南西部バルチスタン州に拠点を置き、現在はアフガンの山岳地帯に潜伏している。
アフガンのタリバンは昨年、パキスタン政府とTTPの停戦協定延長交渉を仲介したが、TTPはその後、協定を一方的に打ち切った。
それ以来、パキスタンのアフガン国境付近ではテロ攻撃が多発している。