◎シリアではトルコの支援を受ける勢力とクルド人の衝突で多数の死者が出ている。
シリア当局は20日、トルコの支援を受ける勢力がクルド人3人を射殺したと発表した。
イギリスのNGO「シリア人権監視団」によると、事件は先月の地震で大きな被害を受けた北西部の町で発生したという。
トルコの支援を受ける武装勢力はこの地域に拠点を置くクルド人組織と対立している。
シリア人権監視団は声明で、「男たちはクルド人の新年の祭りを馬鹿にし、一部のクルド人と口論になった」と述べている。
男たちは銃を乱射しクルド人3人を殺害、4人に重傷を負わせ逃亡した。シリア人権監視団によると、死亡した3人は同じ家族だという。
国営シリア・アラブ通信（SANA）はクルド人4人が死亡したと報じている。
シリアではトルコの支援を受ける勢力とクルド人の衝突で多数の死者が出ている。トルコは反政府武装組織「クルド労働者党（PKK）」や「クルド人民防衛部隊（YPG）」などを標的にしてきた。
トルコ、米国、EUはPKKをテロ組織に指定している。
一方、YPGは米国の支援を受けてイスラム国（ISIS）の残党を取り締まっている。
オスマン帝国時代から続くトルコ人とクルド人の紛争は1980年代に本格化し、これまでに数万人が死亡したと考えられている。
