◎ロシアのウクライナ侵攻で原油価格が押し上げられ、収益を後押しした。
2019年6月1日/サウジアラビア、サルマン皇太子(Getty Images/AFP通信/EPA通信)

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは12日、昨年の純利益が上場以来最高を更新し、1610億ドル(約21兆7000億円)に達したと発表した。

ロシアのウクライナ侵攻で原油価格が押し上げられ、収益を後押しした。

ナセル(Amin H. Nasser)CEOは声明で、「石油と天然ガスが当面不可欠な存在であることを考えると、この分野への投資を加速させ、エネルギー価格の高騰に対処する必要がある」という見方を示した。

またナセル氏は「この業界への投資不足は世界の安全保障に影響を与える可能性がある」と指摘した。

環境・人権活動家たちはソーシャルメディアでアラムコを批判した。

アラムコの昨年の純利益は1610億ドル、2021年の1100億ドルから46.5%増加した。2020年はパンデミックの影響で490億まで減少していた。

昨年の原油生産量は日量1150万バレル。アラムコは2027年までに日量1300万バレルを目指すとし、生産量を増やすために550億ドルもの資金を設備に投資する予定だ。

さらに、昨年10~12月(第4四半期)の配当を前四半期から4%増やして195億ドルにするとした。そのほとんどは同社の株式の95%を保有するサウジ政府に送られる。

アラムコは中国がコロナ規制を全面解除して世界市場に戻り、エネルギー需要がさらに高まることを想定し、設備投資を加速させるとみられる。

サウジ政府は「石油以外の部門」で持続可能な利益を上げるための資金を必要としており、アラムコのさらなる成長はそれを後押しすると期待されている。

こうした石油頼みの計画は、化石燃料が温暖化を加速させるという国際的な懸念が高まっているにもかかわらず、実現した。

エネルギー価格の高騰はサウジと米国の関係を悪化させ、世界規模のインフレを引き起こしている。

イギリスのエネルギー大手BP、米国のエクソンモービル、シェルなども巨額の利益を上げている。

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