◎投票率は速報値で63.7%。前回の選挙と同程度だった。
エストニアで5日、議会選の投票が行われ、カラス(Kaja Kallas)首相の与党・改革党が圧勝した。
選挙管理委員会の速報値によると、改革党は5日遅くの時点で得票率31.2%を獲得。議席を3つ伸ばし、37議席を確保した。(定数101)
一方、親ロシアのポピュリスト政党は国家安全保障と経済に焦点を当たるも、議席を失った。
カラス氏は首都タリンのホテルで党員や歓喜に沸く支持者を前に演説した。
カラス氏は、「結果はまだ確定していないが、有権者は民主的な政府を作るという私たちの訴えを支持した」と語った。
カラス氏は45歳の弁護士で、欧州議会の元議員であり、1994年に父親が設立した改革党の議長に2018年に就任。2021年から首相を務めている。
欧米の対ロシア制裁に反対する極右ポピュリスト政党EKREはカラス氏の政策がインフレを引き起こしたと批判し、支持を訴えた。
報道によると、EKREの得票率16.1%、議席数は17で2位となったが、議席を2つ減らした。ロシア系住民の支持を受ける政党の得票率は15.3%だった。
リベラル派の小政党Eesti 200は得票率13.3%。14議席を獲得し、大躍進した。
カラス氏はウクライナへの支援を念頭に置き、「これだけ強い支持を得たのだから、ウクライナへの支援は変わらないと思う」と語った。
エストニアは人口約130万人の小国だが、ウクライナに多くの兵器を供与し、人道支援にも力を入れ、ウクライナの避難民を約6万人受け入れている。
反EU・反移民を掲げるEKREはウクライナの避難民受け入れに上限を設けるよう政府に求めている。
今回の選挙は国境を接するロシアのウクライナ侵攻に関連する国家安全保障、社会保障、インフレが主要テーマとなった。
選管によると、6つの政党が議会活動に必要なしきい値の得票率5%をクリアしたという。
投票率は速報値で63.7%。前回の選挙と同程度だった。