◎バルチスタン州ではイスラム過激派や分離主義者によるテロ攻撃が相次いでいる。
パキスタン、首都イスラマバードの警察官(Getty Images)

パキスタン当局は6日、アフガン国境に面する南西部バルチスタン州でオートバイに乗った自爆テロ犯が警察車両に突っ込み、警察官10人が死亡、12人が負傷したと発表した。

州警察によると、事件は州都クエッタの東方150kmに位置するシビ地区の通りで発生。同州で活動するイスラム過激派組織TEJ(Tehreek-e-Jihad)が犯行声明を出したという。

TEJは同州で活動する武装勢力のひとつ。アフガンの山岳地帯に拠点を置く「パキスタンのタリバン運動(TTP)」やテロ組織に指定されている分離主義勢力「バルチスタン解放軍(BLA)」に比べると規模は小さい。

地元警察によると、攻撃を受けた警察車両はパトロール中で、警察官9人が現場で、1人が近くの医療機関で死亡したという。

この攻撃で警察車両は全焼。同行していたトラックも横転し、警察官12人が重軽傷を負った。

地元警察によると、攻撃を受けた部隊は市内で開催されるイベントに合わせて先週シビ地区に派遣され、パトロールを支援していたという。重傷者はクエッタの医療機関に軍のヘリで搬送された。

シビ地区では昨年、このイベントに出席した政府高官の車列がイスラム国(ISIS)の自爆テロ犯の攻撃を受け、護衛の兵士5人が死亡している。

シャリフ(Shahbaz Sharif)首相は6日、テロ攻撃を非難し、犠牲者と遺族に哀悼の意を表した。

またシャリフ氏は負傷した警察官に必要な医療を提供するよう命じ、攻撃に関与したとみられるTEJを取り締まるよう求めた。

バルチスタン州ではイスラム過激派や分離主義者によるテロ攻撃が相次いでいる。

クエッタの北東約600kmの町で先月末に発生した爆弾テロでは少なくとも5人が死亡、16人が負傷した。

クエッタの東方約300kmの地区で先月初めに発生した爆弾テロでは兵士2人が死亡、3人が負傷。BLAが犯行声明を出した。

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