◎パキスタンの炭鉱の安全基準は緩く、過去にも似たような爆発事故が何度も発生している。
パキスタン当局は3日、南西部バルチスタン州の炭鉱で爆発が起き、鉱夫少なくとも6人が死亡、5人が負傷したと発表した。
地元警察によると、爆発は州郊外にある炭鉱内で2日に発生したという。
州当局の検査官は地元テレビ局の取材に対し、「消防による救助活動は24時間ほどで完了し、6人の遺体を収容し、負傷者は市内の医療機関で手当てを受けている」と語った。
報道官によると、メタンなどの可燃性ガスが爆発を引き起こした可能性が高いという。消防は送風機で炭鉱内を換気した後、犠牲者の遺体を収容した。
パキスタンの炭鉱の安全基準は緩く、過去にも似たような爆発事故が何度も発生している。炭鉱の所有者は経費を抑えるために安全対策を講じず、危険な環境で鉱夫を働かせている。
政府の統計によると、バルチスタン州の鉱山では数千人が働いているという。同州の失業率は他の州より高い。
バルチスタン州では数十年前から分離独立を目指す反政府勢力が活動している。分離主義者たちは差別の解消と、州の資源や富を公平に分配するよう求めている。
また同州ではこの数カ月、イスラム過激派によるテロ攻撃も急増している。
北西部カイバル・パクトゥンクワ州の炭鉱で昨年11月末に発生した爆発事故では少なくとも9人の死亡が確認された。