◎政府と武装勢力を含む野党は2018年に和平協定を結んだものの、民主的な選挙の実施に向けた取り組みは遅々として進まず、現在に至る。
2019年3月9日/南スーダンの難民キャンプ(Simon Maina/AFP通信/Getty Images)

南スーダンキール(Salva Kiir)大統領は22日、首都ジュバで難民家族と面会し、周辺諸国に散らばった同国の難民約200万人に帰国を促した。

南スーダンは2024年12月に大統領選を実施する予定である。

石油資源の豊富な南スーダンは2011年にスーダンから独立。2年後、キール氏に忠実な組織がマシャール(Riek Machar)副大統領の組織に攻撃を仕掛け、内戦状態に陥った。

内戦は2018年の和平合意で終結。犠牲者は数十万人と推定されている。

暴力と飢餓に直面した南スーダン人の大半が隣国ウガンダに逃げ込み、世界最大の難民キャンプを形成した。

バチカンのフランシスコ教皇(Pope Francis)も南スーダンの難民問題に懸念を示し続け、2週間前に同国を訪問したばかりである。教皇は永続的な平和と難民の生活再建を訴えた。

キール氏は記者団に対し、「大統領選で完全な和平と民主主義を確立し、近隣諸国に避難した国民を迎え入れることが政府の最優先課題だ」と語った。

キール氏は国際社会に帰国者の生活再建に向けた政府の取り組みを支援するよう訴えた。

またキール氏は「母国に戻ると決めた人の安全は政府が保証する」と約束した。

政府と武装勢力を含む野党は2018年に和平協定を結んだものの、民主的な選挙の実施に向けた取り組みは遅々として進まず、現在に至る。

キール氏は昨年12月に大統領選への立候補を表明。ライバルのマシャール氏も立候補するとみられる。

2019年10月20日/南スーダンのキール大統領(左)とマシャール副大統領(Sam Mednick/AP通信)
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