◎IT大手はコロナ禍でも収益を大きく伸ばしたものの、中国の混乱やロシアのウクライナ侵攻がもたらしたインフレや半導体不足には対応できなかった。
iPhone14のサンプル(Getty Images)

IT大手アップル社が2日、2022年第4四半期(10~12月)決算を発表した。

売上高と営業利益は中国のゼロコロナ政策による都市封鎖でアイフォン生産に影響が出たことや、インフレの影響で機種変更を控える利用者が増えたことなどにより、市場の予想を下回った。

売上高は2021年同期比で5%減の1172億ドル、世界の全地域で減少した。1株当たりの利益は1.88ドルとなり、予想を下回った。

落ち込み幅は2019年以降で最大。

多くのIT企業が世界規模の景気減速を警戒し、人員を整理している。IT大手はコロナ禍でも収益を大きく伸ばしたものの、中国の混乱やロシアのウクライナ侵攻がもたらしたインフレや半導体不足には対応できなかった。

アップルのクック(Tim Cook)CEOは投資家向けの声明で、「同社は困難な環境に対応している」と語った。

クック氏は決算について、「中国の混乱による供給不足、ドル高、物価上昇、ウクライナ侵攻とパンデミックが引き起こした経済危機が影響した」と説明している。「世界は前例のない状況に直面しており...アップルに免疫がないことも理解しています」

クック氏は売上高について、「世界の全地域で減少した」と述べた。

アイフォンの売上はドル高の影響などで8%以上減少。Macコンピュータは29%減少した。

この減少などにより、第4四半期の利益は13%減の300億ドルとなった。

決算発表後、アップルの株価は引け後の時間外取引で4%下落した。

市場分析会社Canalysによると、世界のスマートフォン出荷台数は昨年12%減少したという。この業界を牽引する韓国のサムスン電子も2022年第4四半期(10~12月)の営業利益が前年同期比69%減となった。

アップルはApple PayやApple Newsなどのサービス事業が引き続き成長を牽引するとの見通しを示し、現在世界中で20億台以上のAppleデバイスがアクティブな状態にあるとしている。

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