◎チャドは1972年までイスラエルと外交関係を結んでいたが、他のアラブ諸国の圧力を受け、関係を断った。
チャドとリビアの国境付近(Getty Images)

イスラエル首相府は1日、アフリカの内陸国チャドが同国内に大使館を開設する予定と発表した。

同首相によると、在イスラエル・チャド大使館はデビ(Mahamat Idriss Deby)大統領とネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相の首脳会談に合わせて開設される予定だという。

デビ氏は1日にエルサレム入りし、2日にネタニヤフ氏と会談する予定だ。

ネタニヤフ氏は2019年1月、イスラエルとイスラム国家との外交関係を確立する取り組みの一環として、中央アフリカを歴訪した。

イスラエルは翌年、米国が仲介した「アブラハム合意」の一環としてモロッコ、バーレーン、スーダン、UAE(アラブ首長国連邦)と国交正常化協定を締結した。

イスラエル首相府はネタニヤフ氏の声明を発表。「デビ大統領との会談で我々の関係はアップグレードされ、大使館開設は両国の関係が新たな高みに到達したことを示すものである」と述べている。

デビ氏は2021年4月、父親のイドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領が反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死したことを受け、軍の最高司令官から大統領代行となり、議会を解散、軍事評議会を発足させた。

故イドリス・デビ氏は2018年にエルサレムを訪問している。

チャドは1972年までイスラエルと外交関係を結んでいたが、他のアラブ諸国の圧力を受け、関係を断った。

世界銀行の人間開発指数によると、チャドは世界で最も開発の遅れている国のひとつ。チャド政府はこの数十年、広範な人権侵害と不正選挙で非難されてきた。

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