◎ISISは2019年にシリアの支配地域をすべて失ったものの、その残党は今でも南部と中部の広い範囲で活動を続けている。
シリア南部、内戦で荒廃した住宅地(Getty Images)

国営シリア・アラブ通信(SANA)は30日、南部ダラアで警察官を乗せたバスが爆弾攻撃を受け、15人が負傷したと報じた。

内務省によると、爆弾は路肩に設置され、バスの通過に合わせて爆発したという。

同省は声明で、「警察官らはダラアから首都ダマスカスに戻る途中だった」と説明したが、それ以上の詳細は明らかにしていない。

爆弾はダラア近郊の幹線道路に設置されていたようだ。

イギリスに本拠を置くNGO「シリア人権監視団」は30日、この攻撃で警察官7人が重傷を負ったと声明を出した。

シリア内戦の犠牲者は40万人近くに達し、国土の大部分は廃墟と化し、人口の半数以上が避難民となり、数百万人が近隣諸国に逃亡した。

地元の人権団体によると、アサド政権と対峙するイスラム国(ISIS)の残党が活動する地域でこのような攻撃は特に珍しくないという。

昨年10月には首都ダマスカス郊外で陸軍のバスが爆破され、兵士少なくとも18人が死亡、30人近くが負傷した。

アサド政権が支配する地域ではISISが関連するとみられる攻撃が相次いでおり、多くの市民が犠牲になっている。

ISISは2019年にシリアの支配地域をすべて失ったものの、その残党は今でも南部と中部の広い範囲で活動を続けている。

ISISは昨年11月、最高指導者のアブハサン・ハシェミ・クラシ(Abu Hasan al-Hashemi al-Qurashi)が戦闘で死亡したと発表。アブ・フセイン・フセイニ・クラシ(Abu al-Hussein al-Husseini al-Qurashi)が跡を継ぐと明らかにした。

ISIS指導者の名前は本名ではなく、イスラム教の預言者ムハンマドの部族の末裔であると主張する必要があり、クラシはその部族を指している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク