◎ゼレンスキー大統領は28日に公開した動画で同盟国に「戦闘機連合」を創設するよう要請した。
ドイツのショルツ(Olaf Scholz)首相は29日、戦闘機の供与を切望するウクライナの要請には応じられないと明らかにした。
ショルツ氏は地元紙ターゲスシュピーゲルのインタビューで、ウクライナへの兵器供与が過熱することに警告を発した。
ウクライナ政府は独製戦車「レオパルト2」の供与を決めたショルツ政権に謝意を示したうえで、さらなる支援を求めている。
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は28日に公開した動画で同盟国に「戦闘機連合」を創設するよう要請した。
エイブラムス戦車の供与を決めた米政府は26日、ウクライナと戦闘機供与について「慎重に」議論すると述べた。
一方、ショルツ氏はインタビューの中で、「今はレオパルド2の納入に焦点を当てている」と語った。「戦車の供与について決定を下したばかりなのに、次の議論が国内で盛り上がっていることに、どうかなという気持ちになっています」
ショルツ氏は25日、同盟国からの数週間に渡る圧力を受け、レオパルト14両の供与を決断し、さらにそれを保有する各国の供与も認めた。
この発表後、米国もエイブラムス31両の供与を発表した。
ウクライナ大統領府は米国のF-16、F-35、ユーロファイター、トルネード、フランスのラファール、スウェーデンのグリペンによる「戦闘機連合」の創設を熱望している。
さらに大統領府顧問は地元メディアのインタビューで、「ロシア軍の主力兵器を叩くためには長距離ミサイルも必要だ」と語った。
ゼレンスキー氏もビデオ演説で、射程距離約300kmの米製戦術地対地ミサイル「エイタクムス(ATACMS)」が必要であると述べている。
ゼレンスキー氏は強力な長距離精密誘導ミサイルがロシア軍の住宅地・エネルギーインフラ攻撃を防ぐと説明した。
米国防総省はエイタクムスの供与に否定的だ。
ショルツ氏はインタビューの中でロシアを改めて非難し、プーチン(Vladimir Putin)大統領と定期的に協議していると強調した。最後の会談は先月行われた。
またショルツ氏は「NATOはロシアと戦争をしているわけではなく、エスカレーションは許さない」と言明した。「我々は慎重に話し合う必要があります。またロシアの侵略を決して容認せず、ロシア軍の撤退が問題解決につながる唯一の道であることも明確にしなければなりません...」