◎スロバキアの内閣不信任決議は内閣に総辞職を強制するが、与党は議会を解散させず新内閣を発足させることができる。
スロバキア議会は25日、議会議員の5分の3以上が賛成すれば早期選挙を可能にする憲法改正案を賛成多数で可決した。
野党3党は昨年、40万人近くの署名を集めて「内閣不信任決議案が可決された場合に与党が議会を解散しなくても議会選を強制できる憲法改正案の是非を問う国民投票」を行うよう要求。チャプトバ(Zuzana Caputova)大統領はこれに応じ、改正案の是非を国民に委ねることとした。
しかし、22日に行われた国民投票の投票率は法的拘束力をもたせるために必要な50%をはるかに下回る27.25%にとどまった。
報道によると、92人が賛成票を投じ、改正案は可決されたという。スロバキアは一院制、議会の定数は150人だ。
チャプトバ氏は昨年末にヘゲル(Eduard Heger)首相の不信任決議案が可決されたことを受け、1月末までに暫定政権を発足させるよう要請した。
チャプトバ氏はこの期限に間に合わなかった場合、ヘゲル氏に代わる首相を速やかに任命するとしている。
地元メディアによると、議会は26日から解散総選挙について議論する予定。ヘゲル氏は9月30日を希望しているが、野党は5月か6月中を望んでいる。
最近行われた世論調査によると、ヘゲル氏の右派勢力は支持率を大きく落とし、野党に敗れる可能性が高い。
議会議員の任期は2024年2月まで。