◎ソマリア政府は昨年開始したアルシャバーブ掃討作戦を「全面戦争」と呼んでいる。
ソマリアに拠点を置くイスラム過激派組織アルシャバーブは9日、ソマリア政府に初めて交渉を申し入れたという同政府の発表を否定した。
アルシャバーブのメディア部門はウェブサイトに掲載した声明で、「我々は何の申し出も話もしていない」と述べ、ソマリア政府との接触を否定した。
政府報道官は7日の記者会見でアルシャバーブから初めて協議を求められたと明らかにした。
報道官によると、アルシャバーブは政府との交渉開始を要求したが、この組織には2つのグループが存在するため、額面通りに受け止めることはできないという。
アルシャバーブには外国人とソマリア人で構成されるグループが存在するとのこと。
報道官は、「ソマリア人は交渉の対象になるが、外国人は侵略者と見なし、交渉には一切応じない」と強調した。「侵略者の選択肢は限られています...」
また報道官は、「ソマリア人は投降するか、社会復帰するか、連合軍と対峙するかを選択しなければならない」と述べ、交渉を希望するのであれば応じる姿勢を示した。
アルシャバーブは国際テロ組織アルカイダとつながりのある過激派のひとつで、ソマリア南部と中部の大部分を支配し、モガディシュ近郊まで支配地域を拡大したとみられる。
ソマリア政府は昨年開始したアルシャバーブ掃討作戦を「全面戦争」と呼んでいる。
モハムド(Hassan Sheikh Mohamud)大統領は新年の挨拶で掃討作戦に言及し、「民兵および同盟国と協力してアルシャバーブを殲滅する」と国民に約束した。
アルシャバーブはシャリア(イスラム法)に基づく国家の建設と、東アフリカに駐留する外国軍の撤退を求めている。米国、トルコ、アフリカ連合(AU)の多国籍軍がソマリアに部隊を駐留させている。
アルシャバーブは長年にわたり、ケニアの首都ナイロビや米軍の軍事基地など、ソマリア以外の地域でも自爆攻撃などを行ってきた。