◎ナイロビではビルの崩壊事故が続いている。
ケニア当局は20日、首都ナイロビ郊外にある5階建て集合住宅が崩壊したと発表した。
報道によると、このビルには100人以上が入居していたという。住民は崩壊前に避難を終えていたため、巻き込まれた人はいないと伝えられている。
市当局は声明で「20日午後に建物の柱に亀裂が生じ、数時間後に崩壊した」と述べている。
AFP通信の取材に応じた住民の男性は、「家が崩れるかもしれないと家族から連絡が入り、大急ぎで帰宅した」と語った。
報道によると、建設局と関係機関が合同調査を行う予定だという。
住民の避難を支援した消防隊の男性は地元メディアの取材に対し、「建物の柱に亀裂が入ったという連絡を受け、現場に急行した」と語った。
ビルの建設年は明らかにされていない。
ナイロビではビルの崩壊事故が続いている。
17日には建設中のビルが隣の民家を巻き込んで倒壊し、少なくとも2人が死亡した
市中心部の住宅地で15日に発生した集合住宅の崩壊事故では少なくとも3人が死亡。所有者は逃走中と伝えられている。
ケニアの建築・設計基準は緩く、費用を抑えるために違法な工事が行われたり、設計に不備があることも珍しくない。過去の事故は設計不備や手抜きが原因と報告されている。
住宅需要の高いナイロビでは特に手抜き工事が散見され、多くの業者が規制をすり抜け、関係機関の許可を得ずに工事を進めることも珍しくないようだ。15日に崩壊した集合住宅も必要な許可を得ていなかったと報じられている。
中部キアンブで今年9月に発生した6階建てビルの倒壊事故では少なくとも3人が死亡、数人が負傷した。
政府は2015年の8階建てビル倒壊で15人が死亡した後、国内の全てのビルを検査するよう命じた。検査の結果、ナイロビのビルの58%が設計基準を満たしておらず、住居に適さないことが判明した。