◎チュニジアの家庭ゴミの年間排出量は約260万トン。その大半を埋め立て地で処分している。
チュニジア第二の都市スファクスで17日、深刻化するゴミ問題に抗議するデモが行われ、約1000人が参加した。
報道によると、スファクスのゴミ収集は数カ月前に停止し、利用可能なゴミ捨て場はネズミの巣窟になったという。自宅でゴミを燃やす市民が急増した結果、町は煙に覆われた。
ゴミ収集業者を含むデモ隊は州政府庁舎前に集まり、「ゴミを処理しろ!」「くさい!」「スファクスはゴミに食い尽くされる」などと叫んだ。
デモ隊は州知事に辞任を求め、港近くの埋め立て地(ゴミ処分場)で火災が発生しかねないと警告した。
AFP通信の取材に応じた男性は、「道路にゴミが放置され、病気や火災のリスクが高まっている」と語った。「町はネズミだらけです。今すぐゴミを回収しなさい!」
フェイスブックには港近くの埋め立て地から黒い煙が上がる写真や動画が多数投稿されている。州知事はフェイスブックの停止を求め、「一部の反乱分子がフェイクニュースを流している」と主張している。
スファクスの人口は約100万人。中部地方の経済の要衝であり、人々と物資が行き交っている。
当局は昨年11月、物議を醸している市郊外の埋め立て地の運用を再開したが、これに抗議する職員がストを決行し、市内のゴミ収集能力は大幅に低下した。この処分場は有毒ガスを排出しているとして、批判を集めている。
昨年7月に議会を解散し、全権を掌握したサイード(Kais Saied)大統領はこの問題を解決すると約束したが、スファクスの市民によると、今のところ進展はみられないという。
サイード氏は17日、環境相にゴミ危機を緩和するよう命じた。
チュニジアの家庭ゴミの年間排出量は約260万トン。その大半を埋め立て地で処分している。