◎モルドバはルーマニアとウクライナに挟まれた人口約260万人の旧ソ連構成国で、昨年から欧米寄りの道を歩んできた。
2022年11月13日/モルドバ、首都キシナウの通り、サンドゥ大統領の辞任を求めるデモ(Aurel Obreja/AP通信)

モルドバの首都キシナウで13日、政府とインフレに抗議するデモが行われ、数千人が参加した。

デモ隊は親欧米派のサンドゥ(Maia Sandu)大統領に辞任を求め、エネルギー危機とインフレに不満を表明した。

モルドバはルーマニアとウクライナに挟まれた人口約260万人の旧ソ連構成国で、昨年から欧米寄りの道を歩んできた。しかし、この2カ月、極右政党の抗議デモが各地で行われ、国を揺るがせている。

極右ショル党のリーダーはイスラエルに亡命したモルドバのオリガルヒとして知られている。この男は最近、ロシアとつながりがあるとして米国務省の制裁リストに追加された。

サンドゥ政権は10日、憲法裁判所にショル党を違法組織とするよう求める請願書を提出した。

検察庁も抗議デモの資金調達について調査しており、ロシアの個人または組織が関与しているという見方を強めている。

モルドバは国内で消費する天然ガスのほぼ全てをロシアから輸入している。ロシア国営ガスプロム社は同国へのガス供給を大幅に削減している。

サンドゥ氏は10日、EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長と会談し、エネルギー危機などについて協議した。

サンドゥ氏は記者会見で、ロシアのガス削減を政治的脅迫と非難し、「モルドバの親ロシア勢力がその混乱を利用し、国家転覆を画策している」と述べた。

フォンデアライエン氏は低中所得者層を支援するための資金として、EUから2億5000万ユーロを拠出すると約束した。

フォンデアライエン氏は記者団に対し、「EUは同盟国のモルドバと一致団結して危機に立ち向かう」と述べた。

モルドバは今年6月、ウクライナと共にEU加盟候補国に認められた。

2022年11月13日/モルドバ、首都キシナウの通り、サンドゥ大統領の辞任を求めるデモ(Aurel Obreja/AP通信)
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