◎ナイジェリアの北部と中部では100を超える武装勢力が活動しており、暴力が蔓延している。
ナイジェリア、地元で「バンディッツ」と呼ばれている武装勢力の戦闘員(Getty Images)

ナイジェリア政府は21日、武装勢力が中部ベヌエ州の集落を襲撃し、少なくとも36人を殺害したと発表した。

州当局によると、武装勢力は19日に人里離れた集落を襲い、村人を虐殺したという。

政府報道官は警察官2人の死亡を確認したと述べている。

州政府は21日、連邦政府に対し、地方の警察官と自警団により強力な重火器を提供するよう呼びかけた。

事件の詳細は明らかにされていないが、一部の地元メディアは情報筋の話を引用し、「武装勢力はこの地域の遊牧民に対する攻撃に報復した」と報じている。

ベヌエ州政府の高官は21日にこの集落を訪問し、被害者の家族と面会したという。

地元メディアはこの高官の声明を引用し、「地方の治安維持は手一杯だが、市民を守るためにできる限りのことをしなければならない」と報じている。

また高官は「地元の自警団にも強力な兵器を供与する必要がある」と訴えた。

ベヌエ州の元知事である連邦議会のガブリエル(Gabriel Suswam)上院議員はツイッターに声明を投稿。「政府は国民の命と財産を保護できていない」と非難した。

ナイジェリアの北部と中部では100を超える武装勢力が活動しており、暴力が蔓延している。その中でも特に強力なイスラム過激派組織ボコ・ハラムはナイジェリア軍と10年近く戦っている。

地元メディアによると、中部では地元住民と遊牧民の衝突が相次いでいる。ベヌエ州で先月発生した襲撃事件では市民少なくとも14人が殺害された。

遊牧民の多くはフラニ族の若い男性で、中部の限られた水資源をめぐって地元住民と争っている。

ナイジェリアでは宗教対立も激化しており、イスラム過激派によるキリスト教徒への攻撃が各地で報告されている。当局はテロ攻撃に関与した者が逮捕されたか否かをほとんど公表していない。

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