◎軍事政権は先週、トラオレ大尉が大統領職を引き継ぐと発表していた。
ブルキナファソの首都ワガドゥグーで21日、大統領就任式が開かれ、陸軍のトラオレ(Ibrahim Traoré)大尉が暫定大統領に就任した。
34歳の若き指導者はイスラム過激派組織から領土を取り戻すと誓った。
またトラオレ氏は2024年7月までに民政に復帰すると約束した。
トラオレ氏率いる反乱軍は先月30日、大統領のダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐を追放した。
ダミバ氏は今年1月のクーデターでカボレ(Roch Kabore)大統領を追放し、治安を回復すると国民に約束したが、サハラ砂漠以南のサヘル地域に拠点を置く過激派は各地で攻撃を続け、この数カ月で民間人や兵士数百人を殺害した。
トラオレ氏は7年間にわたる過激派との戦いに勝利できなかった前政権に愛想をつかし、今年2回目のクーデターを決行したのである。
マリ北部を中心とするサヘル地域で進行中の紛争は激しさを増し、多くの民間人と兵士が犠牲になっている。国連によると、マリ、ニジェール、ブルキナで今年過激派に殺害された民間人は7月末時点で2000人を超え、昨年の通年を上回った。ブルキナの市民200万人がこの紛争で避難民になったと推定されている。
軍事政権は先週、トラオレ氏が大統領職を引き継ぐと発表していた。
トラオレ氏は宣誓後の会見で、「この国は前例のない人道的危機に直面している」と語った。「我々はテロリストの大群に占領された領土を奪還します...」
軍幹部、市民社会グループ、宗教指導者などで構成される国民議会が起草した憲章によると、大統領は2024年7月までに予定されている選挙を持って、その任期を終了するという。
また軍幹部は大統領選に立候補できないとしている。
クーデターを率いたトラオレ氏は次のように宣誓した。「私はブルキナ国民の前で、憲法、憲章、法律を維持し、尊重し、確実に守り抜くことを誓います」
国営テレビによると、外国の政府関係者は就任式に出席しなかったという。
ワガドゥグーの市内ではトラオレ氏の就任を祝うデモが開催された。報道によると、あるデモ隊はフランスの国旗を燃やし、「ロシア軍に過激派討伐を要請せよ」と訴えたという。
フランスの旧植民地国であるブルキナもロシア側に傾いているようだ。隣国マリの軍事政権はロシアの民間軍事企業「ワグネル」と共に過激派を討伐しているとみられる。
トラオレ氏は今のところ、泥沼に沈んでいるこの国の市民に希望をもたらしているように見える。