◎ロシア国内では戦争と予備役の部分動員に反対する抗議デモが行われ、混乱が広がっている。
2022年9月25日/ウクライナ、東部ドネツク州郊外の集落(Leo Correa/AP通信)

ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は25日、定例のビデオ演説で、投降したロシア兵の権利を尊重すると表明した。

ゼレンスキー氏は演説の中で戦地に派遣されたロシア人に対し、「投降か逃亡」を選択するよう呼び掛けた。

ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は命令に従わなかったり、脱走したり、敵に降伏した兵士に対する処罰を強化する刑法改正法案に署名している。

ロシア国内では戦争と予備役の部分動員に反対する抗議デモが行われ、混乱が広がっている。

ロシアの独立系人権団体「OVDインフォ」によると、24日のデモでは700人以上、週の初めには1000人以上が拘束された。当局は無許可の集会を厳しく取り締まり、反戦デモを許可しない。

ゼレンスキー氏はロシア語で演説し、「終戦後に戦争犯罪人として裁かれる危険を冒すより投降しろ」と呼びかけた。

またゼレンスキー氏は、「ウクライナは投降した兵士を国際条約に基づいて扱い、その権利を尊重する」とした。

プーチン氏が24日に署名した憲法改正法案は脱走、戦闘拒否、命令不服従、降伏したロシア人を厳しく罰し、禁固10年に処す。

ロシア国防省は動員令発表から24時間以内に1万人が自主的に召集を希望したと主張している。しかし、国境付近には多くのロシア人が詰めかけ、片道航空チケットは完売し、国外に降り立った多くのロシア人が戦争とプーチン氏の政策に不満を表明した。

一方、ウクライナの東部と南部の4地域ではロシア編入の是非を住民投票が行われている。

ウクライナと西側諸国はこの投票をみせかけと非難。地元住民は武装したロシア兵に脅迫され、投票を強制されたと報告している。

ロシア大統領府は住民投票の結果を尊重し、編入賛成が過半数を占めれば、速やかに併合すると示唆している。

ぺスコフ(Dmitry Peskov)報道官は24日、編入に賛成した地域はロシア連邦の一部となり、憲法の保護下に置かれると主張した。

強制併合は戦争をエスカレートさせる可能性がある。

戦争に参加したくないロシア人は国境に長蛇の列を作り、近隣諸国の政府に支援を求めている。

バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)は徴兵から逃れた人々の亡命を認めることはないとし、ロシア人の入国を厳しく制限した。

エストニア内相は地元メディアのインタビューで、「戦争に関与しようがしまいが、その責任はロシア人が負わなければならない」と語った。「それは連帯責任であり、逃れることはできません...」

2022年9月24日/ロシア、サンクトペテルブルク、動員に抗議するデモ参加者と治安部隊(AP通信)
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