◎トルコはギリシャがエーゲ海の島々を軍事化し、国際協定に違反していると主張している。
トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は3日、ギリシャに対する圧力を強化し、「ギリシャ政府はある日突然、降伏することになる」と警告した。
エルドアン氏は以前、この言葉をシリアのクルド人武装勢力に対して使ったことがある。
エルドアン氏は無人航空機などが展示されたイベントで演説し、隣国ギリシャを非難した。
トルコ政府は先月、ギリシャ軍がクレタ島沖でトルコの戦闘機をロックオンしたと非難した。また、先月行われたNATOの合同軍事演習中にもギリシャ空軍がトルコの戦闘機に嫌がらせをしたと主張している。
トルコはNATOに苦情を申し入れ、ギリシャはトルコ空軍が領空を侵犯したと応戦した。
トルコとギリシャはNATOの同盟国であるにもかかわらず、エーゲ海の領有権や領空に関する意見の相違で何十年も対立している。この摩擦は両国を戦争の瀬戸際に追いやった。
トルコはギリシャがエーゲ海の島々を軍事化し、国際協定に違反していると主張している。
エルドアン氏は3日の演説で、「あなた方(ギリシャ)が島を占領すれば、我々は必要なことを行うだろう。ある夜、突然降伏することになるかもしれない」と述べた。
またエルドアン氏は「歴史を見よ。これ以上進めば、その代償は重くのしかかる」と警告した。「イズミルを忘れるな!」
トルコ軍は1922年に西部の都市でギリシャ軍を破っている。
エルドアン氏とギリシャのミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相は今年3月に昼食を取りながら協議したが、両国の関係は改善せず、むしろ悪化しているようにみえる。
ミツォタキス氏は5月に米国を訪問し、F-16戦闘機をアップグレードしたいトルコの試みに強く反対し、F-35ステルス戦闘機獲得を目指すと表明したため、エルドアン氏は「ギリシャ首相とはもう二度と話さない」と怒りを爆発させた。