◎ジャクソンの住民はうだるような暑さの中、州兵やボランティアが準備した飲料水を入手するために長蛇の列を作った。
米メディアによると、ミシシッピ州ジャクソンの給水問題が解決する見通しは立っておらず、1日足らずで飲料水110万本が消費されたという。
同州の州都ジャクソンの水処理センターは洪水の影響で稼働停止に追い込まれ、市内の住民約20万人が5日間水道水を使えずにいる。
州政府は24時間体制で復旧作業に当たっているが、完全復旧にはもう少し時間がかかるとみられる。
ジャクソンの住民はうだるような暑さの中、州兵やボランティアが準備した飲料水を入手するために長蛇の列を作った。
州政府によると、州兵は直近24時間でペットボトル飲料水110万本を配り、地元のボランティアは風呂に入れない人やトイレの処理に困っている人を支援したという。
AP通信の取材に応じた女性は、「水のありがたさを痛感している」と語った。「この暑さの中、シャワーを浴びれないのは本当にキツイ...」
地元の教会でボランティア活動に参加している男性は、「アフガニスタンやシリアの人々は何年もこのような生活を送っている」と語った。「今こそ、全人類に水を無駄遣いしてはいけないと訴えるべきです...」
ミシシッピ州兵の広報担当は2日、「水道事業者の復旧作業が完了することを願っている」と語った。「市民は困難に直面していますが、皆の力を合わせれば対処できると信じています....」
飲料水の配給所になっている州立グラウンドの向かいでボランティアを行っている女性は、「黒人の団結力が試されている」と語った。
ジャクソンは黒人住民が多い都市として知られ、洪水に見舞われる以前から飲料水の確保に苦労している住民もいた。
連邦政府はジャクソンを含む水道・下水インフラの老朽化が進む都市の改修工事を急ぎたいとしているが、予算の都合でなかなか思うように進まないのが現状だ。
ジャクソンのある水道事業社はSNSに、「バイデン(Joe Biden)大統領のインフラ計画に期待している」と投稿している。「ジャクソンのインフラはかなり老朽化しています...」
バイデン氏はミシシッピ州知事の要請を受け、非常事態を宣言。連邦予算を投じて支援に当たるとした。
報道によると、州議会議事堂などの公共トイレは利用できる状態だという。多くの女性が「トイレだけでも水圧を回復してほしい」と懇願している。
最高気温が32度に達する中、配給所には長蛇の列ができ、体調不良を訴える人もいた。
ジャクソン市政府は2日、洪水で浸水した発電所を通常運転に戻す取り組みを進めているとしたが、復旧時期は未定とし、住民に忍耐を求めた。
水処理センター近くの住宅や企業の水圧は回復したと伝えられているものの、大多数の水圧は弱い、または全くない状態である。
州政府は水圧ゼロの状態から急激に上昇すると劣化したパイプが破裂する可能性があると警告している。