◎コモド国立公園の入場料は1人20万ルピア(約1800円)から375万ルピア(約3万3700円)に引き上げられた。
インドネシアの観光団体は2日、コモドドラゴン(コモドオオトカゲ)見学ツアーの料金を大幅に引き上げた州政府の決定に抗議し、ストライキに入った。
地元メディアによると、ドラゴンズの主要生息地であるコモド国立公園の入場料は1人20万ルピア(約1800円)から375万ルピア(約3万3700円)に引き上げられた。
東ヌサトゥンガラ州政府は絶滅の危機に瀕しているドラゴンズを保護するために、過度な露出を控えたいとしている。
しかし、地元の観光団体は観光客が激減すれば地方経済を支える観光産業が大打撃を受けると州政府を非難している。
政府の公式データによると、インドネシアには約3300頭のコモドドラゴンが生息している。それはコモド国立公園を含む限られた島にしか生息しておらず、絶滅危惧種に指定されている。
インドネシアを訪れる世界の観光客は、恐竜のようにのしのし歩くドラゴンの可愛い姿を一目見たいと島を訪れる。2019年にコモド国立公園を訪れた観光客は22万人に達した。
しかし、政府はチケットを値上げすることで観光客を減らし、ドラゴン島から人間を遠ざけることで保護したいと考えている。
地元メディアによると、東ヌサトゥンガラ州の観光関係者約700人は8月末までストを続ける予定だという。ストを実施するとツアーが行えなくなるため、観光客はドラゴンズを見学できなくなる。
同州でツアーを運営する会社の従業員はSNSに、「政府の計画はこの地域の観光産業を破壊し、住民の生活を脅かすだろう」と投稿している。「私たちはコモドドラゴンを守りつつ、観光客を案内しています。私たちはドラゴンハンターではありません!」
ストに参加する男性はAFP通信の取材に対し、「政府はコモドドラゴンと住民を守る必要がある」と語った。「入場料18倍ですよ!あり得ません!狂気の沙汰です!」
州知事は入場料引き上げに関する情報をもっとうまく観光業界に伝えるべきだったと謝罪したが、料金を見直すつもりはないとしている。
州政府は以前、観光客の入園を完全に禁じたいと提案したが、猛反発を受け撤回し、2019年には会員制にしてはどうかと提案している。
東ヌサトゥンガラ州は約500の島々からなるインドネシアで最も貧しい地域のひとつで、観光産業は地域経済に欠かせないものとなっている。