◎被告の弁護士は禁固10年に減刑するよう判事に求めていた。
ウクライナの裁判所は29日、非武装の民間人を殺害した罪で起訴されたロシア兵の控訴審で、終身刑を禁固15年に減刑した。
シシマリン(Vadim Shishimarin)被告は2月にチュパキウカ村で62歳の男性を射殺した罪で有罪が確定。5月に終身刑を言い渡されていた。
この裁判は戦争が続く中で公正な裁判を行うことができるかどうか、また、危機的状況に置かれているウクライナの司法制度が数千件の複雑な戦争犯罪裁判を処理できるかどうかをチェックする初期のテストとみなされている。
一部の専門家は5月の判決について、「罪を認め、反省し、命令に従わざるを得なかった状況を考慮すると、終身刑は厳しすぎる」と指摘していた。
被告の弁護士は禁固10年に減刑するよう判事に求めていた。ロイター通信は情報筋の話を引用し、「被告は捕虜交換でロシアに返還される可能性が高い」と報じている。
ロシアは民間人への攻撃を否定しているが、キーウ近郊のブチャなどでは処刑されたとみられる民間人の遺体が多数見つかっている。