◎プーチン氏はNATO加盟国トルコのエルドアン大統領とも直接会談した。
ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は19日、イランの首都テヘランでトルコとイランの首脳らと会談した。
プーチン氏によると、ウクライナ南部の港の輸出再開について、一定の進展がみられたという。
ロシアとトルコはシリア内戦についても協議した。
米国はプーチン氏のイラン訪問について、「ロシアが国際社会で孤立していることを示している」とした。
イランの最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師はプーチン氏との会談後に声明を発表。「イランとロシアは関係を強化すべき」とし、ウクライナ侵攻の責任は米国にあるとした。
ハメネイ師はプーチン氏に対し、「もしあなたが主導権を握らなかったら、米国が戦争を起こしていただろう」と語った。
米国務省は19日、「ロシアとイランの会談は両国が国際社会で孤立していることを示している」と反撃した。
プーチン氏はNATO加盟国トルコのエルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領とも直接会談した。
トルコはNATOの主要メンバーであるにもかかわらず、対ロシア制裁への参加を拒否し、仲介役を演じようとしている。
トルコは国連と協力してウクライナ南部に滞留している穀物を輸出する取り組みを主導している。南部オデーサ州などには2000万トン以上の穀物が滞留しているとみられる。
プーチン氏は記者会見の中でこの問題について、「進展がみられた」と述べ、仲介役のエルドアン氏に謝意を示した。
3カ国の首脳はシリア内戦についても協議した。ロシアとイランはアサド(Bashar al-Assad)政権を支援しているが、トルコは反政府勢力に兵器を供与している。
トルコはシリア北部に拠点を置くクルド人武装勢力への越境作戦を開始するとしているが、ロシアとイランはこれに反対している。
エルドアン氏はこの作戦でトルコとシリア国境に30kmの緩衝地帯を作りたいと考えている。
エルドアン氏は会見で、「ロシアとイランから支援を得られると確信している」と述べた。
国連安全保障理事会は先週、シリアの反政府勢力支配地域への援助物資輸送を6カ月間許可した。安保理はこの期間を1年と提案していたが、ロシアの拒否権で見直しを余儀なくされた。