◎連立が成立すれば、カラス首相は議会定数101のうち56議席を確保することができる。
エストニア政府は9日、野党2党と連立協定を結んだと発表した。
与党「改革党」を率いる中道右派のカラス(Kaja Kallas)首相は先月、燃料・食料価格の高騰や福祉政策をめぐる論争の末、中道党との連立を解消した。
エストニアも他の欧州諸国と同じく、ロシア・ウクライナ戦争の影響を強く受けている。
改革党は8日遅くの声明で、野党「社会民主党」および、右派の「祖国・共和国連合」と連立協定を結んだと明らかにした。
連立が成立すれば、カラス氏は議会定数101のうち56議席を確保することができる。
地元メディアによると、カリス(Alar Karis)大統領は連立を歓迎したという。なお、エストニアは来年3月に総選挙を予定している。
カリス氏は9日、「エストニアの経済的苦境とロシアによるウクライナ侵攻の影響を考えると、新内閣に休む暇はない」と述べ、カラス氏にインフレ対策を急ぐよう呼びかけた。
またカリス氏は、「欧州全体が安全保障上の危機に直面している」と強調した。「ロシアの戦争は欧州にインフレとエネルギー危機をもたらしました。冬に必要なエネルギーを確保しつつ、インフレ対策を進めなければなりません...」
EU統計局(ユーロスタット)によると、エストニアの現在のインフレ率はユーロ圏の中で最も高く、先月のインフレ率は前年同月と比べて22%上昇した。
インフレの主な原因は燃料価格の高騰である。