◎ブルキナファソを含む西アフリカ諸国はサハラ砂漠以南のサヘル地域に拠点を置くアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織の暴力に悩まされている。
2022年3月2日/ブルキナファソ、首都ワガドゥグーの政府庁舎、暫定大統領のダミバ中佐(Getty Images/AFP通信)

ブルキナファソの暫定大統領ダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐は21日、ジハード組織の暴力に対抗するため、同国北部などに軍事境界線を設定し、民間人の立ち入りを禁じると発表した。

報道によると、緩衝地帯は2カ所設けられる予定だという。

ダミバ氏は20日に緊急閣議を招集し、テロとの闘いにおける国防・治安部隊の作戦について協議した。

対テロ作戦の司令官は20日遅くの声明で、「サヘル地域に拠点を置くテロリストの暴力が増加している」と警告した。「政府は東部とサヘル(北部)地域に2つの緩衝地帯を設け、全国民の立ち入りを禁止することとしました...」

緩衝地帯に指定された地域は隣国マリと国境を接する町や村で、軍はこの地域で活動するジハード主義者の拠点を抑えるとしている。

司令官は声明の中で、「これらの地域ではまもなく軍事作戦が行われるため、地域への立ち入りや活動はすべて禁じられる」と警告している。

今月初めに北部スム県の郊外の村で発生したジハード組織による襲撃事件では、市民少なくとも89人が虐殺された。

軍は民間のボランティアなどで構成される対ジハード部隊「BVDP」を創設することも合わせて発表した。この部隊は全国各地で活動しているボランティア兵士を統括すると伝えられている。

また軍は、特別な理由なく任務を放棄した兵士は懲戒処分や刑事告訴の対象となると警告した。

ブルキナファソを含む西アフリカ諸国はサハラ砂漠以南のサヘル地域に拠点を置くアルカイダやイスラム国(ISIS)系組織の暴力に悩まされている。

サヘル紛争(マリ北部紛争)で死亡した民間人と兵士は2000人を超え、約190万人が避難を余儀なくされた。

ダミバ中佐は今年1月、ジハード組織の暴力を抑制できなかったとしてカボレ(Roch Kabore)大統領を追放し、新政府を発足させた。

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