◎人権活動家たちは「強制退去」と非難している。
2019年10月6日/タンザニアのマサイ族(Getty Images/AFP通信)

タンザニアのメディアは17日、同国北部で生活するマサイ族が立ち退きを強制されているように見える映像を公開した。

報道によると、この映像は先週撮影されたものだという。

映像が公開される数日前、タンザニア政府は「自主的な移転プログラム」の一環として、マサイ族の一部家族がユネスコ世界遺産に登録されている「ンゴロンゴロ(Ngorongoro)保全地域」から退去したと発表していた。

人権活動家たちはこの移転プログラムを「強制退去」と非難している。

マサイ族の長老と名乗る男性は映像の中で、「軍は仲間たちを殴り、村から出ていくよう命じた」と語っている。

「軍は私たちを待ち伏せしていました。車から降りると、私たちを殴り始めたのです。私は彼らに懇願しました。タンザニアの同胞よ、私たちを殺さないでくれ。なぜ私たちを殴るのですか?ここは祖父母から受け継いだ大切な土地です...」

人権活動家によると、政府当局者は数カ月前からンゴロンゴロ保全地域の一部に印をつけ始めたという。

政府は目印をつけたエリアの保護を「紛争回避の一環」と説明し、「このエリアのマサイ族と家畜がさらに増えれば、争いが発生する」と主張している。

この問題に詳しい専門家によると、政府が目印をつけたエリアはマサイ族の土地として指定されている4000㎢のうち1500㎢を占め、最大7万人が強制退去させられる可能性があるという。

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