◎57人は汚職、テロリストの保護、セクハラに関与したと伝えられている。
チュニジアのサイード(Kais Saied)大統領は1日、裁判官57人を解任し司法への圧力と己の支配力を強化した。
大統領府によると、57人は汚職、テロリストの保護、セクハラに関与したという。
サイード氏は1日に放送されたテレビ演説の中で、「司法当局に過ちを正す機会を与えたが、彼らは行動しなかった」と語った。「今回解雇された57人は私腹を肥やし、国民を欺き、テロリストを保護し、女性を虐げていました」
サイード氏は昨年7月、政府のコロナ対策と経済政策の失敗を非難し、当時の首相を解任したうえで議会を一時的に停止し、自分の権限を強化した。サイード氏の強権的なやり方に反対する野党と活動家はこの措置をクーデターと非難し、各地で抗議デモを続けている。
地元メディアによると、裁判官の解任は官報に掲載され、正式決定した。
野党や活動家は司法を含むすべてがサイード氏の支配下に置かれ、独裁体制が復活すると懸念を表明した。
サイード氏は憲法改正と政治改革のための国民対話を行い、7月25日に改革の是非を問う国民投票を行う予定である。
その後、12月17日に議会選が行われる予定である。議会は今年3月に解体された。
チュニジアの経済は2011年のジャスミン革命で権威主義を打倒した後も低迷し続け、コロナの感染拡大で危機はさらに悪化し、国民の大半が今も厳しい生活を余儀なくされている。