◎エルドアン大統領はフィンランドとスウェーデンのNATO加盟に異議を唱えている。
トルコ大統領府は21日、エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領がフィンランドとスウェーデンの両首脳と電話会談を行ったと発表した。
声明によると、エルドアン氏はフィンランドのニーニスト(Sauli Niinisto)大統領とスウェーデンのアンデション(Magdalena Andersson)首相と別々に電話会談を行い、クルド人テロリストの扱いに関する懸念を伝えたという。
エルドアン氏はアンデション氏に対し、2019年のトルコ軍によるシリア侵攻後に課した武器輸出制限を解除するよう求めた。
またエルドアン氏は、スウェーデン政府がトルコでテロ組織に指定されているクルド労働者党(PKK)などに「具体的かつ真剣な措置」を取ることを期待すると表明した。
一方、ニーニスト氏に対しては、「NATO加盟国の脅威となるテロ組織を無視することは容認できず、同盟の精神に相容れない」と批判した。
エルドアン氏はNATOのストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長とも電話会談を行い、懸念を伝えている。
ストルテンベルグ氏はこの問題について、「トルコの懸念に耳を傾ける」としたが、具体的な対応方法は明言しなかった。
北欧2カ国の首脳は19日にワシントンD.C.を訪問し、バイデン(Joe Biden)大統領とNATO加盟や安全保障の問題について協議した。
他のNATO加盟国はフィンランドとスウェーデンの加盟を歓迎しているようだが、トルコはこれに異議を唱え、2カ国はクルド人武装勢力を保護し、武器輸出を制限していると非難している。
NATO加盟には現加盟30カ国の合意が必要。米国は8月中に批准する見通しを示している。