◎WHOは多くの国が死者を過少報告していると考えている。
世界保健機関(WHO)は5日、世界のコロナウイルスの死亡者数は公式発表よりはるかに多く、1500万人近くが死亡したという調査結果を公表した。
WHOは多くの国が死者を過少報告していると考えている。公式の累計死者数は600万人を超えた。
データによると、インドでは470万人が死亡した可能性があるという。これは公式発表の約10倍で、世界の死者の3割がインドで死亡したことになる。
インド政府は超過死亡に異議を唱えているが、他の研究機関も同国の死者数は公式よりはるかに多いという調査結果を公表している。
超過死亡率は特定の集団の死亡率が一時的に増加し、本来想定される死亡率を超過した割合のことで、この現象はパンデミック、飢饉、戦争などによって引き起こされる。
データはコロナに感染し死亡した人だけでなく、病院で治療を受けられずに死亡したり、コロナが原因で基礎疾患が悪化し死亡した人なども含まれる。
WHOは公式発表に含まれない約900万人の大半が間接的な死ではなく、コロナに感染し死亡したと考えている。データ部門を管理するアスマ博士は声明の中で、この数字を「悲劇」と呼んだ。「コロナを過小評価し、正確な死者数を報告できていない国の政策責任者は責任を負わなければなりません...」
データによると、インドと並んで超過死亡者の多い国はロシア、インドネシア、米国、ブラジル、メキシコ、ペルー。ロシアの死者数は公式発表の3.5倍と推定されている。
超過死亡率の低い国は、集団検査と検疫を徹底している中国、厳しい渡航制限を課したオーストラリア、ニュージーランド、日本、ノルウェーなど。
サハラ以南のアフリカ諸国については死者に関するデータが欠如しているため、推定値も推測に基づいたものになっている。WHOによると、大陸の54カ国のうち41カ国に信頼できるデータがなかったという。
WHOの調査に協力したワシントン大学(シアトル)のウェイクフィールド教授は英BBCニュースのインタビューの中で、「世界はより良いデータを収集できるシステムを必要としている」と語った。「正確でタイムリーなデータを収集することが重要です。世界はシステムに投資しなければなりません。人の死に関する記録がないのは恥ずべきことです...」