◎国営の機関誌「人民日報」は今週、指導部の姿勢を絶賛し、「継続は力なり」と国民に呼びかけた。
2022年4月23日/中国、北京、PCR検査を待つ人々(Mark Schiefelbein/AP通信)

中国政府は23日、首都北京の中学校で生徒10人がコロナウイルスに感染していることが確認されたため、一斉PCR検査を行うと発表した。

対象は北京の住民約2100万人。

当局によると、生徒10人は22日の検査で陽性と診断されたという。この中学校は1週間閉鎖されることが決まった。

また当局は、市内で新たに4人の陽性を確認したと発表した。

全国の23日の新規陽性は2万4326人、その9割以上が上海市で報告され、大半が無症状である。中国の厳格なゼロコロナ政策は世界の注目を集めている。

欧米諸国は対策を軒並み緩和しており、多くの国がマスクの義務化やパスポートシステムを停止している。

一方、共産党指導部は感染力の強いオミクロン株にゼロコロナ政策で立ち向かい、打ち勝つと誓っている。

国営の機関誌「人民日報」は今週、指導部の姿勢を絶賛し、「継続は力なり」と国民に呼びかけた。

本土および香港市内で陽性と診断された重症患者は医療機関、軽症と無症状患者は専用の隔離施設に収容され、自宅療養は認められていない。

しかし、上海の感染拡大が収まらないことから、多くのSNSユーザーが「ゼロコロナの時代は終わった」と主張し、指導部の方針に疑問を投げかけている。

封鎖下に置かれた上海の住民は食料の確保にひどく苦労しており、基礎疾患のある高齢者が検診や治療を受けられないという報告が多数寄せられている。ある医療機関では職員の半数以上が感染し、入院中の高齢者が治療を受けられずに死亡したと伝えられている。

AP通信によると、北京市朝陽(ちょうよう)区の学校は対面授業と放課後のクラブ活動の中止が決まったという。

上海の保健当局は23日に12人の死亡を報告した。声明によると、死亡したのはいずれも基礎疾患のある高齢者。

2022年4月22日/中国、北京の地下鉄(Mark Schiefelbein/AP通信)
アフィリエイト広告
スポンサーリンク