「眠る暇もない」24時間体制で運営されるセレブファンページの実態
SNS上にはテイラー・スウィフトやオリヴィア・ロドリゴ、BTS、セレーナ・ゴメスなどの人気スターを専門に扱うファンページが数多く存在する。
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世界中で広がる「推し活」の裏側で、ファンによる情報発信の最前線を担う人々がいる。著名人の動向を追い続けるファンページの運営者たちは、ほぼ休みなく活動する過酷な日常を送っている。
SNS上にはテイラー・スウィフトやオリヴィア・ロドリゴ、BTS、セレーナ・ゴメスなどの人気スターを専門に扱うファンページが数多く存在する。これらのアカウントは最新ニュースや写真、動画、スケジュールなどをリアルタイムで共有し、数十万から数百万のフォロワーを抱えるケースも珍しくない。
こうしたページを運営する多くは一般の若者であり、報酬を得ることなく活動している。25歳のある運営者は英BBCの取材に対し、「私たちは眠る時間がほとんどない。1日24時間、週7日ずっと動いているようなものだ」と語り、その負担の大きさを明かした。
彼らの主な役割は世界中から流れてくる膨大な情報の中から正確で価値のある内容を選び、迅速に発信することである。コンサートやテレビ出演、インタビュー、さらには空港での目撃情報に至るまで、あらゆる情報が対象となる。時差の問題もあり、海外アーティストを扱う場合には深夜や早朝の作業が常態化する。
さらに、単なる情報共有にとどまらず、ファンコミュニティの中心としての役割も担う。フォロワーとの交流、コメント管理、誤情報への対応など、コミュニティ運営の側面も大きい。誤った情報を拡散すれば信頼を失うため、情報の裏取りには細心の注意が求められる。
一方で、こうした活動にはプレッシャーも伴う。人気アカウントになるほど「常に最新情報を出し続けなければならない」という期待が高まり、更新が滞るとフォロワー離れにつながる可能性がある。また、同じスターを扱う他のファンページとの競争も激しく、誰よりも早く情報を投稿することが重視される。
精神的な負担も無視できない。誹謗中傷や過激なファン同士の対立に巻き込まれることもあり、運営者がストレスを感じる場面は少なくない。それでも活動を続ける理由について、多くの運営者は「純粋に好きだから」と語る。好きなアーティストを応援し、その魅力を広めたいという思いが原動力となっている。
また、こうしたファンページは、結果的にアーティスト側にとっても重要なプロモーション手段となっている。公式発表よりも早く情報が拡散されることもあり、ファン主導の情報流通がエンターテインメント業界に与える影響は無視できない。
専門家はこうした現象が現代のファンダム文化の変化を象徴していると指摘する。かつては受動的に情報を受け取るだけだったファンが、今では自ら情報を収集・編集し、世界中に発信する主体へと変化している。
しかし、その裏側では「ほとんど眠れない」という過酷な現実がある。情熱によって支えられた無償の労働とも言えるこの活動は、デジタル時代における新たなファンの姿を映し出している。
