猛暑に欠かせないエアコンの「効率的な使い方」、知っておくべきこと
世界各地で気候変動の影響による猛暑が常態化する中、冷房需要は今後も増加すると見込まれている。
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記録的な猛暑が世界各地を襲う中、家庭での電力消費が急増している。冷房は熱中症予防に欠かせない一方、電気料金の上昇は家計の大きな負担となる。こうした中、米国のエネルギー専門家らは、エアコンの設定温度を極端に下げたり、頻繁に電源を切ったりするよりも、「適度な温度を維持しながら連続運転する」ことが、快適性と節電を両立する最も効果的な方法だと指摘している。
米エネルギー省によると、一般家庭では冷暖房が年間電力消費の50%を占める。特に夏季は冷房需要が急増し、家庭の電気料金を押し上げる最大の要因となる。このため、猛暑が続く地域では電力会社が節電を呼びかける場面も少なくない。しかし、専門家は「節電のために冷房を我慢することは避けるべきだ」と強調する。高齢者や乳幼児、持病のある人は熱中症リスクが高く、健康を最優先に考える必要があるからだ。
専門家が推奨するのは、在宅時には室温をおおむね26~27度程度に保ち、外出時や就寝時には1~2度高めに設定する方法である。米エネルギー省は在宅中は約26度、外出時には約29度程度を目安としており、室温を極端に下げる必要はないとしている。設定温度を1度上げるだけでも消費電力を数%削減できる場合があり、長期間では電気料金の節約効果が期待できる。
一方、「帰宅後すぐに部屋を冷やしたいから最低温度に設定する」「暑くなったら冷房を入れ、涼しくなったら切る」という使い方は、必ずしも効率的ではない。エアコンは設定温度まで室温を下げる速度が変わるわけではなく、極端に低い温度に設定しても冷える速さはほぼ同じである。むしろ必要以上に冷やし続けることで余分な電力を消費する恐れがある。また、電源を頻繁にオン・オフすると、再起動時に大きな負荷がかかり、結果として電力消費が増えるケースもある。
節電効果を高めるには、エアコン以外の工夫も重要である。日中はカーテンやブラインドを閉めて直射日光を遮り、窓から侵入する熱を減らすことが効果的だ。天井扇風機やサーキュレーターを併用すれば冷気が室内全体に循環し、体感温度が下がるため、設定温度をやや高めにしても快適に過ごせる。また、エアコンのフィルターを定期的に清掃すれば空気の流れが改善され、冷房効率の低下を防ぐことができる。
住宅の断熱性能も電力消費を左右する大きな要因である。古い住宅では窓や壁、屋根から熱が出入りしやすく、冷房効率が低下する。このため、隙間をふさいだり、断熱材や高性能窓を導入したりすることで、年間を通じて冷暖房費を削減できるという。初期費用はかかるものの、長期的には光熱費の節約につながるとして各国で住宅の省エネ改修が進められている。
さらに、古いエアコンを長年使い続けている家庭では、省エネ性能の高い新型機種への買い替えも有効な選択肢となる。近年の製品はインバーター制御や高効率コンプレッサーの採用により、従来機より少ない電力で室温を維持できるようになっている。購入時の負担は大きいものの、使用年数によっては電気代の削減で費用を回収できる可能性がある。
世界各地で気候変動の影響による猛暑が常態化する中、冷房需要は今後も増加すると見込まれている。専門家は「節電と健康は対立するものではない」と指摘し、無理に冷房を我慢するのではなく、適切な温度設定や住宅環境の改善、機器の適切な管理を組み合わせることが、快適さと省エネルギーを両立する最善策になるとしている。熱中症のリスクを避けながら効率的にエネルギーを使うことが、家計にも電力供給にも優しい夏の過ごし方として注目されている。
