◎ハイチ政府と国家警察は一連の暴力に関するコメントをまだ出していない。
ハイチの国連事務局は4日、首都ポルトープランスを含む主要都市でギャングの暴力が拡大し、未成年者がギャングに強制徴用されていると懸念を表明した。
事務局は4日のツイートで、「国連はギャングが未成年者を徴用しているという複数の報告を特に懸念している」と警鐘を鳴らした。
現地メディアによると、ポルトープランスの北部と北東部地域を支配しているギャングは4月24日頃から活動を活発化させ、民間人数十人を殺害し、数千人を地域から追い出したという。
国連の副報道官も先日、クロワデブーケ、シテ・ソレイユ、マルティサンなどの近郊でギャングの暴力が拡大していると警告していた。
副報道官によると、これらの地域では分かっているだけで民間人少なくとも26人が殺害され、1200人以上が避難民になったという。
ハイチのギャングは何年も前から社会問題になっていたが、昨年7月のジョブネル・モイーズ大統領暗殺事件以来、国の治安は急速に悪化し、ギャングの台頭を後押しした。
ポルトープランスで撮影されたと思われるSNSの動画には、マスクをした10代前半の少年が自動小銃を振り回す様子が映っていた。
この少年は動画の中で、「ライバルギャングと戦争をしている」と述べている。
ポルトープランスのギャングは西部の貧しい地域に拠点を置いていたが、昨年の混乱に乗じ、支配地域を拡大したとされる。国連によると、その支配地域は北部から東部の郊外に広がり続けているという。
ハイチの市民保護局は4日午後の声明で、「4月24日~5月2日の間に少なくとも39人がギャングの暴力で死亡し、68人が負傷した」と報告した。また、ポルトープランス郊外の3つのコミュニティから約9000人が避難を余儀なくされたという。
また市民保護局は、「48の学校、5つの医療センター、8つの市場が閉鎖されている」と明らかにした。
一方、4月下旬にハイチで誘拐された隣国ドミニカ共和国の外相は無事解放されたと伝えられている。外相は4日間拘束されたという。
ハイチ政府と国家警察は一連の暴力に関するコメントをまだ出していない。
アンリ首相は昨年10月のテレビ演説でギャングを厳しく取り締まると国民に約束した。「盗賊とそのスポンサーは悪事をやめなければ投獄か死に直面するでしょう...」