トリニダード・トバゴ政府、データセンター建設推進へ、米国企業と協定結ぶ
データセンターはAIの急速な普及に伴い世界各地で建設が進む一方、膨大な電力を消費する施設として知られる。
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カリブ海の島国トリニダード・トバゴ政府は今週、米国企業と大規模データセンターの建設に向けた基本合意書を締結した。人工知能(AI)やクラウドサービスの需要拡大を背景に、同国を地域のデジタルインフラ拠点として育成する狙いがある。一方で、データセンターの膨大な電力・水資源消費が環境やインフラに与える影響を懸念する声も上がっている。
合意は、フロリダ州に本拠を置くハミングバードAIホールディングス(Hummingbird AI Holdings)と、ニューヨークを拠点とするアーンスト・アンド・ヤング(Ernst & Young LLP/EY)の2社との間で締結された。政府によると、EYは別企業と連携し、出力300メガワット級の大規模データセンターの開発を進める枠組みを構築する。一方、ハミングバードは150メガワット規模のAIインフラ・データセンターの建設に向け、事前調査や事業性評価などを進める計画である。
データセンターはAIの急速な普及に伴い世界各地で建設が進む一方、膨大な電力を消費する施設として知られる。国連の報告書では、2030年までに世界のデータセンターが消費する電力量は世界全体の約3%に達する可能性があると指摘されており、その環境負荷が国際的な課題となっている。
トリニダード・トバゴの電力供給は比較的安定しているものの、長年にわたり慢性的な水不足に悩まされてきた。多くの家庭では断続的な給水に備えて貯水タンクを設置しており、一部地域では数週間にわたり給水が停止するケースもある。冷却のため大量の水を必要とするデータセンターが稼働すれば、水資源への負担がさらに増すとの懸念が広がっている。社会活動家のウェイン・クブラルシン(Dr. Wayne Kublalsingh)氏は「開発のように見せかけているが、本当の意味での発展ではない」と政府の方針を批判した。
政府は同時に、米ピナクル・スチール・アンド・バナジウム・コーポレーション(Pinnacle Steel and Vanadium Corporation)とも覚書を締結し、同社が取得した国内の製鉄所の再稼働について協議を進めることで合意した。政府は3件の事業を合わせて5000人以上の雇用創出が期待できるとしている。
パサードビセッサー(Kamla Persad-Bissessar)首相は10日の記者会見で、米国政府も今回の企業間連携を後押ししたと説明し、「データセンターと製鉄業の再生を通じて新たな投資を呼び込む」と強調した。経済成長への期待が高まる一方、持続可能なインフラ整備と環境保全をいかに両立させるかが今後の大きな課題となりそうだ。
