ASEAN特使がミャンマー外相と会談、アウンサンスーチー氏との面会求める
スーチー氏は2021年2月のクーデターで拘束され、その後、扇動や汚職、選挙不正、国家機密法違反など複数の罪で実刑判決を受けた。
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東南アジア諸国連合(ASEAN)は12日、タイ・バンコクで開いた外相会合で、ミャンマーの外相から、民主化指導者アウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏について「健康状態は良好で、姉妹のような存在である」との説明を受けた。ASEANのミャンマー担当特使を務めるフィリピンのラザロ(Maria Theresa Lazaro)外相が会合後に明らかにしたもので、軍事クーデター後初めてとなる対面での協議の中で、スーチー氏の処遇が主要な議題となった。
スーチー氏は2021年2月のクーデターで拘束され、その後、扇動や汚職、選挙不正、国家機密法違反など複数の罪で実刑判決を受けた。本人や支持者は一連の訴追を政治的なものとして否定している。現在も長期の刑期を言い渡されており、今年に入って減刑措置(自宅軟禁中)が講じられたものの、依然として自由を奪われた状態が続いている。ASEAN各国はこれまで繰り返し同氏との面会を求めてきたが、実現していない。
今回の会合では、ラザロ氏がスーチー氏への直接面会を改めて要請するとともに、健康状態を第三者が確認できる機会を設けるよう求めた。これに対し、ミャンマー側は同氏の健康状態に問題はなく、適切な対応を続ける考えを示したものの、面会実現の時期や具体的な方法については明言しなかったという。
ラザロ氏は声明で、和平実現には軍政との対話を維持することが重要だとした一方、実際の進展を確認するためには人道支援や拘束者へのアクセス拡大が不可欠との認識を示した。
ASEAN加盟国の外相がミャンマー側と対面で協議するのは、2021年のクーデター以降初めてである。ASEANは民主派勢力に対する暴力の停止や関係者間の対話、人道支援の拡大などを柱とする「5項目合意」をまとめているが、軍政は十分に履行しておらず、加盟国はミャンマーの首脳級会合への参加を制限してきた。一方で、長期化する内戦や深刻な人道危機を背景に、一部加盟国では軍政との直接対話を通じて事態の改善を図るべきだとの意見も強まっている。
しかし、こうしたASEANの姿勢には国内外から批判もある。ミャンマーの民主派勢力や少数民族など20の政治・市民団体は12日、軍政との接触を優先する一方で民主派勢力との対話が十分ではないと指摘し、ASEANが軍政に正当性を与えかねないと懸念を表明した。軍事クーデター以降の内戦では10万人余りが死亡したと推計され、数百万人が避難生活を余儀なくされている。ASEANが対話路線を維持しながら実効性のある和平仲介を実現できるかが、今後の地域外交の大きな課題となっている。
