スペインホテル大手メリア、キューバ市場から完全撤退
キューバ経済は慢性的な外貨不足やインフラの老朽化に加え、燃料不足や停電など深刻な問題を抱えている。
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スペインの大手ホテルチェーン・メリア(Meliá)は24日、キューバ国内で運営していた全34ホテルの営業・管理業務を終了し、同国市場から完全撤退したと発表した。1990年から約36年間続いた事業に幕を下ろす形となり、キューバ観光産業にとって大きな打撃となる。
同社は撤退の理由について、運営面に加え、法的・財務的なリスクが急速に高まったことを挙げた。米国政府は近年、キューバへの経済制裁を一段と強化し、エネルギー分野への制裁や観光関連機関への措置などが外国企業の事業環境を大きく悪化させている。メリアはポルトガル子会社を通じてキューバ国内のホテルを管理してきたが、事業継続は困難と判断した。
同社は6月にも15ホテルの管理・ブランド提供を打ち切る方針を示していたが、その後も状況は改善せず、最終的に全事業からの撤退を決断した。今回の決定により、キューバで長年活動してきた主要なスペイン系ホテルチェーンは市場から姿を消すことになる。イベロスターやバルセロも同様に事業縮小や撤退を進めており、外国資本によるホテル運営の縮小が鮮明となっている。
キューバ経済は慢性的な外貨不足やインフラの老朽化に加え、燃料不足や停電など深刻な問題を抱えている。観光業は同国にとって主要な外貨獲得源だが、旅行需要の低迷や航空便の減少も重なり、海外からの観光客数が大幅に落ち込んでいる。
ロイター通信によると、2026年1~4月の外国人観光客数は前年同期比で56%減少した。こうした状況はホテル稼働率の低下を招き、外国企業の収益性を著しく損ねている。
さらに、ホテル業界以外でも国際企業の撤退や事業縮小が広がっている。決済大手や航空会社の一部がキューバ向けサービスを停止または縮小するなど、外国企業の投資環境は厳しさを増している。メリアの完全撤退は、キューバを取り巻く地政学的リスクと経済危機が企業活動に与える影響を象徴する出来事といえる。
観光業はキューバ経済の再建に欠かせない産業であるが、主要ホテルチェーンの相次ぐ撤退は投資家心理をさらに冷え込ませる可能性がある。米国の制裁が続く中、キューバ共産党が外国資本を呼び戻し、観光産業を立て直せるかが今後の課題となる。
